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【富山県特集4】美しい渓谷と歴史を全身で楽しめる黒部峡谷鉄道

 

 

今回で第4回目になりましたこの企画です!

 

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今回は前に紹介した宇奈月温泉から先のエリアである、黒部峡谷鉄道に着目してみたい思います!

 

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現在は美しい渓谷美や秋の紅葉などでとても有名になっていますが、実は電源開発の歴史とともに守られ続け、現在でも毎日のようにその用途としても使われ続けています!!

 

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そんな景色も歴史も楽しめて、魅力たっぷりなこの路線を紹介していきますね!!

 

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・この路線の歴史

 

この車両よーく見るととても小さいことがわかりますか!?

 

工事用の路線が起源であるためナローゲージといわれる、超ミニ規格の鉄道として運行が続けられています!

 

この黒部峡谷は、立山連峰後立山連峰の間を流れる黒部川が、長い年月を掛けて刻み込んだ、日本で最も深く、最も大きな峡谷なんです!

 

そんな険しい谷と厳しい自然は長い間人々を寄せ付けませんでした。

 

 

 

ここで本格的な電源開発を始めたのは、東洋アルミナム株式会社です。

会社の設立は大正8年(1919年)12月7日のことでした。
その後、大正11年には日本電力株式会社がこの事業を引き継ぎましたが、大正12年に、黒部川水系発電所建設のための資材運搬用鉄道として、宇奈月~猫又間(11.8km)の軌道敷設工事に着手しました。

以後、

  • 大正15年10月/宇奈月~猫又間 運転開始
  • 昭和5年8月/猫又~小屋平間 運転開始
  • 昭和12年7月/小屋平~欅平間 運転開始

といった経緯をたどり、現在の路線となっています。

その後この鉄道の経営は、日本電力株式会社から、昭和16年には日本発送電株式会社へ、そして、戦後の電力再編に伴い、昭和26年5月には関西電力株式会社に引き継がれました。

 

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・乗るなら命は保証しない!?

 

ここからもわかるように現在の黒部峡谷鉄道資材運搬のための専用鉄道でした!

 

しかし、早い段階から「便乗」という形で旅客輸送を非公式ながら行っていました。

 

その後、美しい渓谷美が知られるようになり、昭和4年からは増加を続ける観光客に向けた旅客輸送も始まりました。ここでは便乗料金を徴収した上で一般客に解放されました。

 

その頃の便乗証には「便乘ノ安全ニ付テハ一切保證致シマセン」と書かれていました!!!

 

これってつまり意訳すると、「工事用の車両にお金出したら載せてあげるけど、どうなっても知りませんよってことです!

 

当時は旅客向けでなかったため、現在のように責任をもって安全を保証できる環境ではなかったんですね!


その後、観光用列車として利用したいとの声がますます強まりました!

 

そして、昭和28年11月5日に関西電力株式会社が地方鉄道業法の許可を得て、「黒部鉄道」として営業運転を開始しました!

お客様の増加に伴って、「黒部鉄道」の営業内容も電源開発の資材、人員輸送主体から旅客輸送へと移行していくことを踏まえ、より一層のサービス体制の充実、運転保安体制の確立を目的に、昭和46年5月、関西電力の子会社として設立された鉄道専業の会社としての黒部峡谷鉄道株式会社が地方鉄道事業の譲渡許可を受け、同年7月1日より営業運転を開始しました。

 

このようにして旅客輸送がどちらかと言うとメインになった現在の形となりました!

 

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西洋のお城をモチーフにしたといわれる 新柳河原発電所です。

よくテレビなどでも紹介されるスポットです!!

 

 

・電源関連施設が途中に多く見られる!

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列車に乗っていると、トンネル区間を除き、ほぼ全線にわたって線路沿いにコンクリート製のシェルターのようなものが並行していることがわかるかと思います!

 

 

なんとこれは冬期の運休期間中に関西電力関係者がダムや発電所との間を徒歩で移動するための「冬期歩道」なんです!

 

このエリアは大雪が降ることでも有名ですから、冬期といわれる12月から翌年4月中旬は運行が出来ないのです、、

 

しかし、発電は冬期にはストップなんてことは出来ませんから、まさに命をかけて保守して頂いているんですね、、

 

その冬期には、鐘釣駅上流にあるウド谷橋では変わった対策がとられています!

 

 

ここでは雪崩対策のため、その期間中には線路と鉄橋を撤去してトンネル内に保管しているんです!しかも、トンネルの入り口も封鎖されてしまいます!これによって、雪崩での線路崩壊やトンネル内の施設破壊も防いでいます!

 

このようにして険しい峡谷を縫うように走る鉄道が守られています!!

 

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 これまでの写真を見てわかるように、渓谷に沿った電源関連施設を多く見ることもできます!

 

多くは水力発電に関連する施設となっています!

 

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また、ここでは通常時でも工事列車が運行されていて、合間をぬって様々な資材や人員を運搬する光景も当たり前のように見られます!

 

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また、途中の駅の中には関係者専用駅も存在し、現役として活用されていることがよく実感できますよ!!

 

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・お待ちかね沿線のオススメポイント紹介

 

宇奈月駅出てすぐの新旧やまびこ橋

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富山県で最も有名な橋の一つですが、車窓から見るとこのようになっています!

真ん中の橋が旧橋で、歩行者用として再利用されています!

 

 

・夏でも雪が見れる!!万年雪

 

鐘釣駅周辺では、車窓からも万年雪を見ることが出来ます!!

背後にそびえる百貫山から落ちてきた雪が蓄積し、夏まで残っているのです!

 

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見ずらいですが三角形のものが雪(ほぼ氷)です! 

 

ちなみに鐘釣駅で下車すると、河原露天風呂にも行くことが出来ますよ!!

 

・黒薙駅で下車

 

ここにも温泉があり、黒薙温泉にアクセスすることが出来ます!

 

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黒部峡谷鉄道の終点 欅平

 

ここまでが一般人が鉄道に乗って行ける区間の限界になります!

 

ちなみに、工事車両は鉄道用エレベーターを使って、更に進み黒部第四ダム方面まで行くことが出来ます!

 

この区間は、体験企画で少人数のみ途中まで入ることができ、その抽選倍率はとてもとても高いことで有名です!

欅平駅より先は上部軌道(関西電力黒部専用鉄道)が繋がるが、原則として関西電力関係者以外は乗車できない。ただし、関西電力が主催し富山県が協賛する「黒部ルート見学会」に応募し、当選すれば乗車することが可能である。

 

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このように渓谷を間近で楽しめます!!

 

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駅から川沿いに降りるとご飯処と露天風呂があります!

 

この露天風呂に入りましたが絶景風呂です!!

オススメです!!

 

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ちなみに、沿線途中の森石駅黒薙駅間の南側からは中部山岳国立公園の特別地域に属し、欅平駅は特別保護地区に属しています。

 

これに関連して、欅平からは遊歩道が黒部湖方面まで整備されていて、徒歩でアルペンルートまで接続できるようになっています!

 

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この区間はとっても危険で難易度が高く、遊歩道といえるのか、、、という状況であることが知られていますが、それでも整備してくださっているのは、国立公園内での開発と引き換えに遊歩道の整備が条件とされたからだと言われています。

 

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つまり電源開発が行われているうちは、恐らく整備され続けるんじゃないでしょうか?

 

 

・豊富なトロッコ客車

 

この黒部峡谷鉄道の1編成の車両数は首都圏に匹敵するほどの多さで(一両が短いことが要因ではありますが笑)、等級の種類も多く、色んな楽しみ方が出来るんです!

 

 

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このような種類があり、基本タイプはオープン型です!

 

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これは簡易な椅子ながらも、トロッコ車両ということでまさに黒部を全身で味わえるものとなっています!トンネルや橋などは大迫力でした!

 

帰りは課金して、リラックス客車に乗りました!ちょうど雨が降ってきたので、ちょうどよかったですが、せっかくの迫力は半減なので窓を開けて楽しんでいました!(笑)

 

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長時間の乗車になるので、背もたれがあるのは大変ありがたかったです!!

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 ・運賃や追加料金

 

 運賃表は以下のようになっています!

 

 

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ちなみに、豪華仕様の客車に乗るときは以下の追加料金を払うことで乗ることが出来ますよ!!

リラックス・特別客車

リラックス車両券 530円
特別車両券 370円


紅葉のきれいな秋が有名ですが、他の季節でもとっても貴重な経験ができること間違いなしです!!

 

冬は運行しないので注意してくださいね!!

 

 

今回もありがとうございました!!!